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真の愛国者とは?【書評】愛国者の憂鬱 – 坂本龍一・鈴木邦男 –

time 2015/10/29

真の愛国者とは?【書評】愛国者の憂鬱 – 坂本龍一・鈴木邦男 –

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概要

安保法制で揺れる日本。
テレビや新聞などのメディアの偏向報道を見聞きしているだけではなかなかまともな判断はできません。
なるべくいろんな知識人の話を聞き、誰かが言ってたからではなく、自分の頭で考えて答えを出さなければ。

発売された時から気になってた1冊「愛国者の憂鬱 – 坂本龍一・鈴木邦男 -」
ようやく読むことができました。

脱原発から、「日の丸・君が代」、ヘイトスピーチ、天皇制から、
三島由紀夫、高橋和巳、小田実など文豪について、
はたまた音楽の起源まで幅広く語り尽くした対談本。

「はじめに 坂本龍一」より

至近距離で見た鈴木さんの目の、なんと穏やかなこと。
もう少しで仙人になってしまいそうな目です。
こんな優しい目をした人にあった記憶がありません。

「おわりに 鈴木邦男」より

坂本さんのお父さんの一亀さんは多くの作家を見いだし、
育て、多くの作品を作った。
でも、この世に生み出した最大の作品は「坂本龍一」だと思う。

(Amazonより引用)

ポイント

「はじめに 坂本龍一」より

その言葉を話ししているこの日本という国、
その風土、人々、歴史、文化というものに、
より偏見なく接することができる機会を与えていただきました。
鈴木さんも僕も、自分の生まれたこの国に、
倫理と矜持と品格をもってもらいたいと思っているし、
国際社会から尊敬される国であって欲しいのです。
また言葉の美しさが文化にとって大事なこと、
汚くののしる言葉や排外主義、際限のない貪欲さがいかにその社会の品格をおとしめるか、
そして最後に真に国を愛するということが、
たとえ最後の一人になっても勇気をもって真実を語り、
理想を述べることにあると信じる点では、
私たちは完全に一致しているのです。

憲法24条、知ってるかい?

坂本 よく言われることですけど、アメリカが広島と長崎に原爆を落としたのは、日本をやっつけるためではなくて、ソ連に原爆という新兵器を見せつけるためだと言われています。
それはたぶんそうなんでしょうね。
原爆を落とす必要はなかったはずですから。

震災後に変わった自衛隊への考え

鈴木 僕は憲法改正して自衛隊は認めていいと思うんですよ。
その代わり、何年か経ったら、保安隊に戻して、さらに警察予備隊に戻して、最終的には警察だけにしちゃう。
坂本 安保破棄ですね(笑)。

報道では語られなかった被災地

鈴木 先日、アメリカのラジオ局の人から取材されたんです。そのとき僕が彼に「原発事故のとき、アメリカ軍の放射能汚染事故のチームが援助に行くと申し出たら、当時の首相の菅直人さんが断ったというのは本当ですか」って聞いたんですよ。そうしたら、「本当だ」って言ってましたね。菅さんの『東京電力福島第一原発事故 総理大臣として考えたこと』にも書かれていました。

「国」を超える大きな問題

鈴木 たとえば、東日本大震災のとき、自衛隊の半分ぐらいが東北に行ってました。
そういう意味じゃ、国家の防衛は完全に手薄です。だからって、どこも日本に攻めてこないですね。
極端に言ったら、もう軍隊なんかなくても攻めてくる国はないかもしれません。
「軍隊がないと、外国が攻めてくるだろう」というのは、むしろ心の問題ですよね。

煽るメディアを信じる日本人

坂本 メディア、特にテレビなんかは視聴率が上がるから、怖いことを言って煽りますよねー。
先日、国民がマスメディアの言うことをどれくらい信じてるかっていうパーセンテージが出てましたけど、日本だけ突出して高いんです。
鈴木 そうですか。
坂本 七〇%ぐらいの人が信じてるようです。
(中略)
鈴木 戦時中はみんなが大本営発表に騙されて反省したはずなのに、変わっていません。
坂本 『朝日新聞』だって、煽ったような記事をたくさん書いて、また今、ちょっとおかしいですよね。

アメリカの中にある矛盾

坂本 (中略)
印象としては、日本の自衛隊がもう少し大きくなって、アメリカ軍の肩代わりはして欲しいと思っているでしょうね。
ブッシュ時代から国防費を縮小しています。
(中略)
日本だけじゃなくて少々の紛争処理は自国でやってくれという思いがあるでしょう。
その分、武器やヘリコプターを売った方が軍需産業としては都合がいいですし。
鈴木 そうですね。だったら、やっぱり米軍は沖縄から出て行ってもらって、沖縄は自衛隊で守るという話が出てきます。
坂本 沖縄にいる海兵隊っていうのは、戦争になっったら最初に攻めていく部隊です。
つまり防衛のための部隊じゃありません。だから、もともと沖縄にいる意味はあんまりないでしょね。
まあ、どこかに攻めていこうとしてるんだったら、別ですけど。
鈴木 米軍が沖縄にいることによって日本は逆に危険ですよ。
坂本 他の国との対立が大きくなるわけですからね。グアムにでも行ってくれた方が日本のためにはいいと思います。
鈴木 辺野古に行くべきではありません。

「おわりに 鈴木邦男」より

坂本さんの自伝『音楽は自由にする』には、
音楽の話、映画の話、世界から見た日本について書いてある。
お父さんのことも書いていた。編集者だったという。
驚いたことに、三島由紀夫、高橋和巳を育てた編集者で、
坂本さんも子どもの頃、
お父さんから二人の話をよく聞いていたという。
坂本さんとの距離がさらに縮まった。
だって僕にとって三島由紀夫、高橋和巳は<全て>だった。

感想

一見右翼と左翼、それぞれの立場から異なった意見が出て激論が交わされるのかな?と思ってましたがそんなことはなく、完全に鈴木邦男氏が受け身の態勢。

坂本龍一のお父さんが三島由紀夫を育てた凄い編集者だったのは知らなかった。

テレビに出てくるようなミュージシャンって、安易に愛と平和を歌っているだけでどちらかというと左寄りの人が多いように感じてました。

しかし、さすがは世界の坂本龍一。
真の愛国者とは何か、とても考えさせられました。
また思想だけではなく知識としてこんなに勉強になるとは思いませんでした。

ほんの少しの言動を見聞きしただけで、やれ右翼だやれ左翼だとレッテルを張り、色眼鏡で見てしまうのは良くないですね。

真の愛国者とは、どのような者なのか。
右寄りな人も左寄りな人も、日本に生まれ育った人全員に薦めたい1冊。

2020年に東京オリンピックが開催されますが、英語ブームなどがきてグローバルな方向に行くのか、ナショナリズムが高まるのか、どっちなんでしょうね。

ちなみに余談ですが、本書のブックデザインは東京オリンピックのエンブレムのパクリ騒動の煽りを受けて、盗作の疑惑をかけられている長島りかこさんです。
(こちら)
うーん、どうなんでしょう・・。

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kj

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読書,マラソン,サッカー,音楽を愛する2児のパパです

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