2016/08/20

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概要
「ゲームは子どもに悪影響?」
「子どもはほめて育てるべき?」
「勉強させるためにご褒美で釣るのっていけない?」
個人の経験で語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!「データ」に基づき教育を経済学的な手法で分析する教育経済学は、
「成功する教育・子育て」についてさまざまな貴重な知見を積み上げてきた。
そしてその知見は、「教育評論家」や「子育てに成功した親」が個人の経験から述べる主観的な意見よりも、
よっぽど価値がある―むしろ、「知っておかないともったいないこと」ですらあるだろう。
本書は、「ゲームが子どもに与える影響」から「少人数学級の効果」まで、
今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした画期的な一冊である。各界著名人から絶賛の声多数!
その教育方針が「思い込み」から来るものだったら、
わが子を不幸にしてしまう可能性だってある。
―乙武洋匡目次
第1章 他人の〝成功体験〞はわが子にも活かせるのか?
- データは個人の経験に勝る
第2章 子どもを〝ご褒美〞で釣ってはいけないのか?
- 科学的根拠に基づく子育て
第3章 〝勉強〞は本当にそんなに大切なのか?
- 人生の成功に重要な非認知能力
第4章 〝少人数学級〞には効果があるのか?
- エビデンスなき日本の教育政策
第5章 〝いい先生〞とはどんな先生なのか?
- 日本の教育に欠けている教員の「質」という概念
(Amazonより引用)
ポイント
データが覆す教育の「定石」
先日、とあるテレビ番組を観ていたら、やはり「ご褒美で釣ること」「ほめて育てること」「ゲームを持たせること」について、その是非が議論されていました。
(中略)
そしてそのテレビ番組で、教育評論家や子育ての専門家と呼ばれる人たちは、満場一致で次のような見解を述べていました。
・ご褒美で釣っては「いけない」
・ほめ育てはしたほうが「よい」
・ゲームをすると「暴力的になる」(中略)
しかし、教育経済学者である私が、自分の親しい友人に贈るアドバイスは、それとは正反対のものです。
・ご褒美で釣っては「よい」
・ほめ育てはしたほうが「いけない」
・ゲームをすると「暴力的にはならない」
私は、経済学がデータを用いて明らかにしている教育や子育てにかんする発見は、教育評論家や子育て専門家の指南やノウハウよりも、よっぽど価値がある -むしろ、知っておかないともったいないことだとすら思っています。
「テストでよい点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」-どちらが効果的?
「テストでよい点を取ればご褒美をあげます」
「本を1冊読んだらご褒美をあげます」これらのうち、子供の学力を上げる効果を持つのはどちらでしょうか。
(中略)
インプットにご褒美を与えると、子供たちは本を読んだり、宿題をしたりするようになるのでしょうが、必ずしも成績がよくなるとは限りません。
一方、アウトプットにご褒美を与えることは、より直接的に成績をよくすることを目標にしているのですから、直接的には、アウトプットにご褒美を与えるほうがうまくいきそうに思えます。しかし、結果は逆でした。学力テストの結果がよくなったのは、インプットにご褒美を与えられたこどもたちだったのです。
「インプット」にご褒美が与えられた場合、子どもにとって、何をすべきかは明確です。
本を読み、宿題を終えればよいわけです。
一方、「アウトプット」にご褒美が与えられた場合、何をすべきか、具体的な方法は知らされていません。
「頭がいいのね」と「よく頑張ったわね」-どちらが効果的?
子供をほめるときには、「あなたはやればできるのよ」ではなく、「今日は1時間も勉強できたんだね」「今月は遅刻や欠席が一度もなかったね」と具体的に子どもが達成した内容を挙げることが重要です。
そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子どもに育つというのがこの研究から得られた知見です。
感想
発売されてからずーっと気になってた1冊。
Kindle版の価格がだいぶ下がっていたので、買って読んでみた。
非常に興味深いデータの話ばかりで、最初から最後まで興味津々であっという間に読んでしまった。
「テレビやゲームが子どもに与える影響」「少人数学級の効果」「学力テストの県別順位」などなど、普段ニュースなどで見聞きして「なるほどなぁ」と思っていたことと、本書に載せられている過去のデータに基づく調査結果が全く異なっていたので驚いた。
うちにも子どもが2人いるが、育児・教育に正解はなく、何が正しいのか悩まされることも多い。
褒めて育てるのはダメ?っちゃダメ?
こんな刺激的なタイトルの本も・・。
しかし正解はなくても、エビデンス(過去の検証データ)ならある。
まだまだデータは少ないとはいえ、こうしてデータを用いて検証している人はいるのだ。
「教育にエビデンスを」
育児や教育に正解はなくても、著者が本書を通じて一貫して伝えたかったという教育に対するこの考えは、わたしは大正解だと思う。
「どういう学校に行っているか」と同じくらい、「どのような親のもとに生まれ、育てらてたのか」ということが学力に与える影響が大きいのです。
何の根拠も無い親の思い込みで育てられるか、過去のデータや科学的根拠をちゃんと勉強して、自分の子供の教育に取り入れる、そんな親のもとで育てられるか、この差は非常に大きいと思う。
何故だか分からないけど、セールでもないのにKindle版がかなり安くなっている。
気になった方は是非読んでみて下さい。
できれば夫婦で読むのをオススメします。
あ、うちは無理です。
嫁さんが絵本以外の本を読んでるところを見たことがないし・・。
<再読レベル>
★★★★
・アウトプットではなく、インプットを褒める。
・大学へ行けば生涯で稼げるお金は1億円高くなる。
・「本を読めば賢くなる」はホント。
・「自分の能力は努力によって後天的に伸ばすことができる」ということを信じる子どもは、「やり抜く力」が強い。
・「年齢とともに記憶力は悪くなる」とか「社会的な身分が低いと成功できない」というステレオタイプを刷り込まれると、まさに自分がそれを踏襲してしまう。
・全国学力テストは私立校はほとんど参加していない。
・子供の学力は遺伝の影響も大きい・・。